今回注目したのは、病いに苦しむマルグリッドをイザベルがどう演じてくれるかという事でした。後半、アルマンに拒絶される悲しみと病いで苦しむマルグリットの姿は、悲痛そのものでした。見ていて「アデル」の時の演技が甦ってきました。終盤、病いで喋る事もできないマルグリットを、イザベルは全力で演じていました。このシーン は、小説も読んでいてもどうなるか想像できませんでした。見てるこちらまで呼吸するのを忘れるくらい迫力がありました。マルグリットが息絶えて幕が下りたかと思うと、幕全体が落ち一部を握ったマルグリットが立っていました。 そして最後にマルグリットの独白で舞台は終わりました。鳴り響く観客の拍手に、キャスト全員が快く応じていました。フラッシュの光りにいやな顔ひとつせず、舞台をやりとげた充実感と感動がイザベルの表情で分かりました。この時のイザベルは、映画でも見ることもできないし、この劇場にいる人だけにしか見ることができないイザベルでした。大半の人は涙で潤んでいました。2時間半(トータルで5時間)近く自分の目の前でイザベルの芝居を見れたことに感動しました。このとき、もしかしたらイザベルはこれからも舞台での活動も続けていくのではないかと思いました。その間も観客の拍手に応じるために舞台全体を移動しながら手を振ってくれました。 やっと幕が下りた時、時計の針は11時半を指していました。AnneとBrunoはイザベルの楽屋を訪問するので、メッセージを渡してもらえることが出来ましたが、その時は感動してて書くのを忘れてしまいました。その後イザベルのファン数人も加わってレストランに行きました。楽屋から戻ってきたAnneとBrunoは、イザベルのサインをもらいご満悦でした。 営業時間ぎりぎりまで話しこんでたので、時計を見るとすでに2時。ErinとAnneをタクシー乗り場まで見送ると、そこでみんなと別れました。凱旋門まで歩いて帰ると、真夜中の凱旋門は、緑色にライトアップされていて奇麗でした。 明日はもう帰国だったので、明け方までパッキング。帰りの飛行機の中では、ほとんど眠っていましたが、20世紀最後を締めくくるにふさわしい旅を過ごせて良かったです。